FC2ブログ

うるしの常三郎スタッフブログ

京都の漆器専門店 [ うるしのツネさぶろう ] のブログです。  

2011年08月

2011.08.13.Sat

そろり新左衛門の絵

曾呂利新左衛門をご存知ですか?

私はとんちばなしに出てくる架空の人かと思っていました。

彼は大阪堺の刀の鞘師で、豊臣秀吉の御伽衆のひとりでした。注1
作った鞘に、刀がそろり(ピタッ)と納まったことから、「そろり新左衛門」と呼ばれたそうです。
確かに架空の人という説もあるようですが、
実際は落語の始祖とも言われる機知に富んだ人だったようです。

注1:豊臣秀吉は、耳学問として御伽衆を多く揃えました。
   彼らは、秀吉の治世を内政面から支えるとともに、壮麗な桃山文化、
   一方で簡素なわび、さびの美意識など、後の日本文化に大きな影響を与えました。


さて話はかわります。

承天閣前の石畳  相国寺境内 承天閣前の石畳


京都五山のひとつ相国寺境内にある 承天閣美術館
展示室の中に、鹿苑寺(金閣寺)の茶室<夕佳亭>が再現されています。

承天閣の夕佳亭 
展示室内 夕佳亭(パンフレットにて)


その夕佳亭にはいつもその季節に因んだ茶道具が展示されています。

茶碗、棗、釜、水指から、蓋置、茶杓にいたるまで、
名物・大名物という日本美術工芸の一級品ばかり。
国宝や重要文化財まであります。
私にはむずかしいものばかりですが、観ていると背筋がピンとしてきます。

そんな品々の中に今回、ニヤリ!!と思わず笑顔になってしまうような掛け軸をみつけしました。
お軸の表装は立派なのですが、描いてある絵はまるで幼い子供の絵のよう。

そろりのヱは上手 
私のメモ〈鉛筆画)  

それが曾呂利新左衛門の「長刀鉾」の絵です。
新左衛門が京都を訪れたときに観た、祇園祭のようすを
秀吉に伝えるときに描いたのだそうです。
人間ばかりか牛も鉾を曳いています。

私が嬉しくなったのは、その絵の中に秀吉の賛が書いてあったことです。

    「祇園会や せんぎまちまち 山やひくひく
               
          そろりのヱは上手 上手 上手」

確かこんな感じの賛でした。

なかよしのお友達同士のやりとりのようですね。
歴史に名をとどろかせる権力者と 博学をかわれて彼のブレーンとなった知識人
そんな堅いイメージのふたりとは思えません。

新左衛門は、秀吉が心を許せる数少ない人物だったのかもしれません。
そう思うと、笑って通りすぎるだけではいられない 素敵な作品でした。


相国寺境内二本の松
大きな松と小さな松(相国寺境内にて)


にほんブログ村 美術ブログ 伝統工芸へ
にほんブログ村
にほんブログ村 企業ブログ 卸売・小売業へ
にほんブログ村  ← ランキングに参加しています。クリック応援お願いします。



 | HOME |