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うるしの常三郎スタッフブログ

京都の漆器専門店 [ うるしのツネさぶろう ] のブログです。  

2011.07.31.Sun

取扱いについて

昨日、お客様からお電話をいただきました。

当店の商品にお入れしている栞の、漆器の取扱いについて
「絹は禁物と書いてあるけれど、それはどうして?」というものでした。

しおり表裏



そこで今回は漆器の取扱いについて私達が知っている範囲で皆様にもお話しようと思います。

http://blog-imgs-46.fc2.com/u/r/u/urushinokyoto/2011073115060726d.jpg" alt="華文漆絵丸盆" border="0" width="337" height="286" />">華文漆絵丸盆 華文漆絵丸盆(松田権六 作)


ご質問の、「なぜ絹の布で拭いてはいけないのか?」

それは絹の繊維の断面は三角形だからということです。
それにより絹は光をプリズムのように乱反射して、美しい光沢を持つのだそうです。
しかし、その絹の特性が、鋭い繊維の角で漆器に細かい傷をつける事となってしまうのです。

私達はお店で商品を拭くときに、水でかたく絞ったコットンのタオルを使っています。
(乾いたままでなく水でしめっていると、柔らかい木綿の繊維がさらにやわらかくなっています。)


漆器の洗い方

基本的に手洗いをしてください。
食器洗浄機は使わないでください。
スポンジの柔らかい面でやさしく洗っていただけば大丈夫。
  (最近 ほんとうの漆塗でも食器洗浄機を使えるような特殊な漆が出来ましたが、その話はまたいつか)


その他に熱すぎるお料理は盛りつけない、ぶつけたり落としたりはしない。・・・と、
いろいろ言ったら皆さん御心配になりますか?


でもそんなに心配なさらなくても基本さえ守れば、漆器は扱いにくい物ではありません。

竹文蒔絵膳
竹文蒔絵膳(松田権六 作)


陶器やガラスに比べれば、割れにくい特性もありますし、
正直,こまかい傷ができていくことも含めて、いにしえの人々は漆器を愛してくれました。
使っていくごとに変化する色や艶もあわせて楽しんでいただきたいのです。

せっかくお手許にあっても仕舞いこんでおいたらもったいないと思います。
日常に生かしていただくことが、私達の仕事のよろこびです。


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